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掲載日:2025.1.20
教育・人材育成
「災害・被ばく医療科学セミナー(グローバル研修)」を開催
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福島未来創造支援研究センターは福島イノベーション・コースト構想促進事業(「復興知」事業(注))の一環として9月25日~28日に災害・被ばく医療科学セミナー(グローバル研修)を福島県浜通り地区で行いました。

 本セミナーは、原子力災害医療を担うグローバル人材を育成することを目的として、長崎大学の医療系学生とTri-Service General Hospital(TSGH)の医師、National Defense Medical Center(NDMC)の医学生を含む計13名(内オンライン6名)が参加しました。

 初日の9月25日には福島県立医科大学と東京電力廃炉資料館を訪問し、福島県立医科大学では同大学の山下俊一副学長と長谷川有史教授が「高度被ばく医療センターの紹介と日本における原子力災害医療体制について」と題し講演を行いました。東京電力廃炉資料館では東京電力第一原子力発電所の事故の経緯や廃炉について同施設職員から説明を受けました。

 26日は東日本大震災・原子力災害伝承館や請戸小学校震災遺構を見学した後、双葉町産業交流センターで本学の高村昇教授が「福島第一原子力発電所事故のクライシスコミュニケーションと復興支援」、経済産業省の木野正登参事官が「東京電力福島第一原子力発電所の廃炉と処理水」、TSGHのChen I-Feng先生が「Radiation Emergency Medical Management in Taiwan」と題して講演を行いました。その後、NDMCの学生が台湾での震災経験を発表し、参加者によるディスカッションを行いました。

東日本大震災・原子力災害伝承館にて高村教授の説明を聞く参加者
講演後の質疑応答の様子

 27日は特定廃棄物埋立情報館リプルンふくしまを見学し、実際にモニタリングフィードで空間線量率の測定を行い、かわうちワイナリーを見学やドローンパーク川内で川内村の村民の方のお話を聞くことができました。28日にはいわき震災伝承未来館などを見学しいわき市の震災についても学びました。

リプルンふくしまでの線量測定

本セミナーでは長崎大学の医療系学生や台湾の医師と医学生が実際に福島県浜通りを訪れ、現状を把握し学んだことを踏まえて日本と台湾の震災や原子力医療体制についてディスカッションを行うことができました。本学は今後も国内外の原子力災害医療に関わる方々を対象としたセミナーを行い、福島県だけでなく国内外の大学や機関等と連携し、福島県浜通り地域における人材育成に向けた取り組みを行っていきます。

災害・被ばく医療科学セミナー(グローバル研修)報告書

(注):「復興知」について 福島イノベーション・コースト構想(外部リンク)